英語学習のために書店に行ってみたものの、英語関連の教科書や参考書があり過ぎて迷ってしまうことが多々ありますよね。
たとえ人気の書籍だとしても、それが自分のレベルや目的と合っていなければ、学習効果が期待できず読むのを諦めてしまいます。
そこで今回は、英会話が上手くなりたい英語初心者の方におすすめしたい英語学習本を紹介します。
実際に英会話講師の僕が、プライベートレッスンで使用して効果のあったものを厳選しましたので、自信を持っておすすめします。
英会話学習本の選び方
書店では、大抵「英文法」「フレーズ集」「日常・旅行英会話」「参考書」「TOEIC・TOEFL対策」系に分けられていることが多いです。
選び方は学習者の目的によって様々ですが、特に英語初心者の方が気をつけなければいけないのは、自分のレベルを分からずに難易度高めの本を買ってしまうことです。
「これ、英語でなんて言うの?」や「ネイティブが使うフレーズ集」みたいな本は、初心者にはあまりおすすめできません。
なぜなら、フレーズを覚えたとしても、使い方が分かっていないと使えないからです。
せっかく大人になってからのやりなおし英語を始めたのに、学生の頃と同じようにひたすら単語やフレーズを暗記していても話せるようにはなりません。
「英語を話す」を目的にした場合、まず押さえておくべきは、土台となる基礎固めと、英語で話す考え方を学ぶことです。
フレーズを使うためには、まず基礎的な力がないと、全て暗記でこなす羽目になります。
そして、英語で話す考え方を学ぶことも大切です。これはつまり、英語を英語で話す意識を育てる学習です。
前途のようにフレーズを躍起になって覚えたとしても、それはあくまで日本語で〇〇は、英語で〇〇という、といった思考回路なのです。
日本語ベースで常に考えていると、それはすなわち英単語を使って日本語を話していると変わりません。
それよりも英語っぽい雰囲気や、英語特有の言い回しなど、英語目線で考えられる思考回路を育てることで、少ない語彙力でもきちんと伝えたいことが伝えられるようになります。
今回紹介する書籍は、そういった点を踏まえて、英語を話すために必要な知識や考え方をインプットできるものに絞りました。
それぞれの特徴や得られる効果を説明していますので、最後までご覧ください。
以下の書籍を使ってインプットしたら、今後はそれをアウトプットすることで身体に浸透していきます。
英会話上達は、インプットとアウトプットの繰り返しでどんどん上達します。
英文法の基礎固め編
中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。
中学3年間で習う英文法が一冊にまとめられた本です。レッスンは1ページにまとめられているので分かりやすいです。
とびきり特別なことが書かれていたり、というわけではないのですが、とにかく無駄なことは一切書かれておらず、英語を話すのにこれだけは知っておきたい内容が凝縮されています。
この本は、僕の教室のプライベートレッスンでも使っており、生徒さんも一冊読み終わると、英語のルールに対する理解がだいぶ深まったと成果を実感してくれます。
大人になってからもう一度英語をしっかり学習したい方におすすめです。
決定版 英語シャドーイング[超入門]【CD付】
シャドーイングに特化した本です。シャドーイングとは、CDから聞こえてくる音声を真似しながら発声することで発音や英語特有のイントネーションが学べます。
英語上達法の一つに、上手い人の真似をする方法があります。
この本では、シチュエーション別に様々なネイティブスピーカーの英語がテキストと和訳入りで見れるので、内容を理解しながらどんどん発声していくことで英語を声に出して発することに慣れていきます。
更に、聞こえた音を真似して発声していくことでリスニング上達にも繋がるので一石二鳥の学習アイテムです。
Step1 リスニング
テキストを見ずに音声だけ聞く。全体像をつかむ。
この時点では一語一語聞き取れなくても良い。
何となくどういったシチュエーションの会話なのか、話し手の特徴はどんな感じかを把握する。
Step2 マンブリング
テキストを見ずに、音声に合わせて小声で話してみる。
この時点では、正確な発音やイントネーションは追及しなくて良い。
大切なのは、音声に合わせて口を開けて発話してみること。どれくらい正確に音が捉えられているかを確認するトレーニング。
Step3 テキストで意味や英語の確認
Step1、2を行った後、分からなかった部分をテキストで確認する。
聞き取れなかった英単語を確認すると同時に、正しい発音をチェック。
また、意味が分からなかった単語は日本語訳を見ながら理解する。
Step4 シンクロ・リーディング
音声を聞きながらテキストを音読する。
英語の口の動かし方や、正確なイントネーションの改善に役立つ。
できるだけCDと同じスピードで音読すること、音声のイントネーションを真似ながらやってみる。
Step5 プロソディ・シャドーイング
音声に合わせてテキストを見ずに発話する。
音声の再現に意識する。抑揚やイントネーション、発音などをCD音源に合わせて発話する。発話している内容の意味がきちんと分からなくても良い。
Step6 コンテンツ・シャドーイング
最後は、意味を理解しながらシャドーイングしてみる。
Step4、5ほど大きな声でなくても良い。
マンブリングくらいの小声で良いので、口は動かしながらも、意味が同時に入ってくるトレーニング。
英語の使い方トレーニング編
NOBU式トレーニング コンプリートコース 話すための中学英語
この本では、文法ごとにインプットとアウトプットの練習ができます。
例えば、Lesson1ではbe動詞に特化した内容で、英語を日本語に(インプット)、次は反対に日本語を英語に(アウトプット)を練習します。
学習した文法ごとに和訳、英訳の練習ができるので、一つ一つの理解を深めながら話す英語に慣れていけるのが特徴です。
表紙に記載された「話すための中学英語」とあるように、使える英会話を学ぶことを目的に作られた本なので、出てくる例文も自然な英文ばかりです。
この本で学習を進めるうちに、「英文を作る能力」や「英語の使い方」のコツが掴めてきます。
基礎文法に自信がない方は、上記で紹介した「中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。」で、基礎となる中学英文法を学習しながら、ドリル的にこの本を使うと効果抜群です。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
こちらはアウトプット専用の本になります。瞬間英作文というトレーニング方法を使って、英作文回路を頭に作るための本になります。
とにかくたくさんの英文を口に出して反復練習することで、次第に英文を自然と頭の中でスムーズに作り出せるようになります。
暗記の類ではなく、「習うより慣れろ」的なアプローチで、テンポよく学習できるのが特徴で、しかも、どれも中学で習うような簡単な英文ばかりです。
簡単な英語でも頭の中だけで文章を作ると意外と難しいことに気付かされます。
この本では、「分かっている」を「できる」にするために、難しい内容は一切書かれていません。
既に勉強したであろう中学英語も、「話す」という視点で見てみると、おそらくほとんどの方が使いこなせていません。
頭に眠っている英語の知識をフル活用するために作られた本なので、ぜひ中学生から大人までおすすめしたい本です。
英語の考え方・ノウハウ編
海外ドラマはたった350の単語でできている
Amazonの語学・辞事典・年鑑 の 売れ筋ランキングで1位(2019年4月時点)を獲得している話題の書籍です。
アホみたいに楽しく★100%英会話を身につける方法という人気ブログの書籍版になり、書籍版はイラストも丁寧で分かりやすくかなり勉強になります。
本の内容としては、英会話を上達させるために必要な「気づき」や「考え方」を伝授してくれます。
人気海外ドラマを題材に、どんな単語や言い回しが使われているのか事細かに分析して、アメリカ人が日常的にどんな単語を使って話すのかをデータをもとに解説してくれます。
英語ネイティブは実はこんなにシンプルに話していた、という事実を気付かせてくれるだけでなく、具体的にどういうことをすればシンプル英語を話せるようになるのか、というメソッドも学習できます。
英語のテストの点は良く、単語も知っている方なのに、上手いこと会話に活かせない方には特におすすめしたい本です。
こんな子供みたいな英語でいいの?って最初は思うかもしれませんが、英語の特性を理解していくと、これはこういう表現でいいんだと合点がいくようになります。
新たな文法や語彙を詰め込んでいくのではなく、既に知っている知識をどう活用すれば良いのかが分かる非常に実践向けの本になります。
話す英語を学びたいなら、一度読んでおいても損はない良い本ですよ。
英語は5歳児の日本語で考えると面白いように話せる!
英語を直訳ではなく、別の言い方に置き換えて表現することで大抵のことは言えることを解説してくれている本です。
英語の上手い日本人の多くは、言い換え能力に長けています。日本語のセンテンスをそのまま訳すのでなく、同じような意味で別の言い方に置き換えて話すことができます。
例えば、「新緑の季節だね。」と言いたい場合は、近しい意味としては「Spring has come.」と訳せます。
新緑を直訳して、Fresh greenと訳してしまうと、結局何が言いたいのか伝わりません。肝心なのは、何を言いたいのかが伝えることです。
日本語の豊かな表現力をそのまま英語にも適用させるのは、正直至難の業なんです。
日本語と英語では、持っている語彙力の違いや、言語的に距離があることなどの理由から、直訳はほとんどできないのが現実です。
この本では、そうした事実を踏まえて、語彙力に自信がない人でも「要は何が言いたいの?」という点にフォーカスして極力シンプルに言い換える意識を育んでくれる内容になっています。
英語上達には相当数の語彙力が必須だと思っている方にはぜひ一度ご覧になっていただきたい本です。
この本を読んだ後に、同時通訳者やバイリンガルが話している英語をよく聞いてみると、この本で伝えたいことが分かってくると思います。
そして、この発想をもとに英会話学習を進めることで、より実践的で自然な英会話ができるようになってくるはずです。
英語は20の動詞で伝わる
中学で習った基本動詞20個を上手く使いまわせば、ほとんどのことが話せることを解説してくれる本です。
Get、Go、Come~のような中学の頃に誰もが習った基本動詞は汎用性が高いので、前置詞などを組み合わせることで色々な意味に派生します。
例えば、「このビルから避難する。」を英語でいうと、「We must evacuate from this building.」ですが、Getを使えば、「We must get out of this building.」ということができます。
evacuateを知らなくても、Get outという中学英語を応用した形で対応する方が英語的に自然だったりします。
今まで単語数やフレーズ集をコツコツ覚えてきたのに、なかなか話せるようにならない方におすすめしたい本です。
真新しい英単語を一から学ぶよりも、既に基本的な意味が分かる馴染みある単語を上手く英会話に活用していく方が効率よく話せるようになります。
この本も、「知っている」を「使える」に昇華するためのノウハウが詰め込まれた本なので、一冊読んでおくと英語の使い方が上手くなります。
